2011年7月19日火曜日

低線量被曝、内部被曝に関する最新の研究報告 2

http://umi238.blog79.fc2.com/blog-entry-71.html

7月18日 松戸市バズビー講演後半
(なかなかUstreamに入れなくて、聞き逃しちゃった)

(車のエアフィルターの話。
そこに半分ぐらいの核種がひっかかり、空気汚染の分析ができるという話ですね)

千葉-東京間を100日間走り続けた車、
また福島からの車のエアフィルターからのデータ。

セシウム134、137のピークがスペクトルを見るとはっきりと見える。
さらに高感度スペクトラムにかけると、多種の核種が見える。

セシウム
ヨウ素
ラジウム
カリウム その他無数。

さらにα核種を測定する装置を開発した。
この写真に見える小さなぽつぽつした泡のようなものはα粒子の飛跡。
プラスチック上にできる。
だから、フィルター上のα核種濃度を推定できる。
(写真は福島、100km圏のフィルターから採取した写真)

私の同僚が行っている研究によると、
東京の車のフィルターからもホットパーティクルは検出されている。
これらの放射性物質の塊、ホットパーティクル、微粒子は、
目に見えるぐらいのもの。小さな埃の粒。
ただ、光ったりはしないのでただの埃に見える。

千葉フィルターから千葉空気中のセシウム濃度を計算すると、
734mBq/1m3。
世界の核実験ピーク時代のセシウム濃度が2.7mBq/m3
千葉市の空気中のセシウム137濃度は核実験ピーク時の300倍。
福島においては2ね700mBq/m3。

この空気を呼吸器からとりいれると、
内部被爆はセシウム137だけでで0.3-0.7ミリシーベルト(期間不明)に達する。
今我々はウランやプルトにも注目している。



100-200km圏で予測される癌の発生率を計算した。
(事故初期の放出をベースにした計算らしい)
これには地上線量と人口が必要である。
地上線量はIAEAと文科省のデータを使った。

さて、ガイガーカウンターで計測できる地上線量のmSv/hは
地表汚染度mBq/m2に換算することができる。
(トンデルの研究は、地表汚染度による癌発生率を出している)

文科省発表の数値は、ヨウ素を含むため高い。
ヨウ素は半減期が短いため、保守的な計算をするためにヨウ素を無視し、
100キロ圏内の平均地表線量は2マイクロ/毎時とした。
しかし、それよりも高い箇所は今もまだ存在する。

100キロ県内の人口は330万人。200キロ圏内だと800万人。
トンデル・モデルを使って計算すると、100キロ圏内では今後十年間で
約十万人の癌発生が予測される。

被爆ベースのECRRモデル計算にすると、今後50年で20万人と予測が出る。
ICRPのモデルになると今後50年で2800人だ。

さらに100-200キロ圏内を、1マイクロ/毎時の平均線量だつたと計算する。
そうすると、ここでも同じようなの数字が出る。
今後50年で200キロ圏内で合計40万人の癌発生が増加する。

これはあくまで予測だ。我々はこの予測を確認しなければならないだろう。
だが我々はこの予測には自信を持っている。



日本にはがん患者の登録制度がない。
原子力産業は既に、どこの業界にも自分側の人間を
送り込んでいるということを忘れてはならない。
最近、ウォルフギャング・なんちゃら(ドイツ人)がWHOの健康被害調査委員長に任命されたが、
彼は健康被害に関して、「何もないだろう」と予測していた。
チェルノにおいて同様の調査が行われた結果を見れば、
今回の調査も「何もなかった」という結論になるのは目に見えている。

だから、もし補償その他を本気で求めたいというならば、
今すぐに独立した研究機関を設置しなければならない。
(つまり、公的機関に任せていたら裁判で勝てるようなデータは永久に出てこない)

また、癌ばかりに注目してはならない。
調査は広範に及ぶ健康被害を全て拾う必要がある。
これらの健康被害は癌と「死因の競合」を起こしている。
(他の死因で亡くなった場合は癌死としてカウントされない等)

これらはよく見られる健康被害。
感染症感染率の上昇、糖尿や甲状腺問題の悪化、高血圧等の循環器系障害、
心臓発作、心臓病、肺病、消火器系の病気、腎不全、
女性の不妊、関節炎など。流産・死産率が上がる。
出産時のトラブルが増え、幼児死亡率が上がる。

さて、皆さんを死ぬほど絶望させたので、
ならばこれからどうすればいいかという話をしよう。

第一に、まず毎時1マイクロ以上の線量が確認されている場所からは全ての人々を避難させる。
第二に、もしガイガーカウンターが自然放射線より高い値を示している場合、
それは放射性物質の存在を示している。
問題はγ線ではなく、ガンマ線の発生源である放射性物質なのだ。
だから、そういう場合にはきれいな水と食料を必要とあらば輸入しなければならない。

国連人権憲章によると、全ての人々は自己の健康を守る権利がある。
もし誰かがあなたの健康を害す物質で汚染するならばそれは傷害である。
誰かがあなたに毒を盛る、あるいは棒で殴るのと同じことだ。
だから、汚染された地域に残る人々は全て補償をうける権利がある。
汚染をひきおこした人々によって。

あなたがたは、健康被害調査のための独立機関を設立しなければならない。
サンプルを集め、分析し、被爆に関連があるとおもわれる健康被害に関しては
原子力産業及び政府を相手に訴訟をしなければならない。

わたしの助言は、福島健康被害調査団・財団を設立することだ。
これは日本だけの問題ではない。世界の問題だ。
世界の原子力産業が責任をとるべきなのだ。
日本の東海岸を中心に、汚染を正確に計測する装置を設置し、
大気中の核種分析をしなけれぎならない。
ガンマカメラを使ってヘリで日本中を飛び、
地表のセシウム汚染度をきっちり調べなければならない。

そしてこれらの地図は公表しないければならない。
人々がどこへ行くのは安全でどこに行くのが危険かわかるように。

福島第一の原子炉はいまだ核分裂をくりかえしている。
そのため環境から隔離されなければならない。

そして最後に、この事故の初期にあたって問題を過小化しようとした
科学者や専門家を裁判で裁かなければならない。
これらの多数の人々は実刑を受けるべきだ。

これから私は科学の欺瞞について話しておこうと思っていたんだけど
時間ぎれかな?

なぜ私がここにこういう話をしにこれるかというと、資金源がないからだ。
私にお金をくれる人はいないので、圧力をかけることができない。
何を言われも気にしない。
しかしわたしの同僚たちは、反抗すると圧力を受け、研究資金や職を失っている。

原子力問題は、科学が産業によって金で買われてしまった、
というより大きな問題の一部にすぎない。

わたしの結論は、我々が自ら立ち上がって自らを救わねばならないということだ。
政府は待っていても救ってくれない。

もしこれ以上情報がほしければ、ネット上で手に入れられる。
2010年発表資料は日本語にも訳されている。
www.llrc.org
www.euradcom.org
www.osrrw.org

これで話は終わりにするが、次はあなた方が何かをする番だ。
まずは健康被害の調査団を設立することを助言する。

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