2011年7月30日土曜日

首都圏でもプルトニウム・ストロンチウムの大気収集検査を主張するECRRクリス・バズビー博士

ECRR代表のクリス・バズビーと言う人は、
昔、チェルノブイリの事故の後現地調査に入った恋人を癌で失うという過去を持っているらしい。
それ以来、内部被曝の調査に乗り出し、過去の原発事故を徹底的に調べ、
発ガン数などを調査して、基準値などのまとめを2010年に発表している。

恋人を放射能で失ったことが、彼の原動力となっている様子。
なので、この人、本気です。

世界には、2つの放射線研究をしてる団体がある。

アメリカを中心とした ICRP(原発は安全派)
ヨーロッパを中心とした ECRR(原発は危険派)

ICRP基準は、ECRRより 1000倍くらいゆるい。
なぜなら、内部被曝を考慮していないから。

日本は、内部被曝を考慮しない、ICRPのデータを
独自にゆるめて、規制値としている。
はっきり言って当てにならんと思う。

今回の東京電力の事故も、政府が隠蔽する気全開なので、恐らく真実は出てこない。

原発推進ICRPをさらにゆるめた利権がっちり日本政府と、
放射能で恋人を失った経験のあるECRRのバズビー先生。
どっちの話を信じるも自分次第です。

ECRR クリス・バズビー で検索すると色々出てくる。

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首都圏でもプルトニウム・ストロンチウムの大気収集検査を主張するECRRクリス・バズビー博士
2011-07-24 12:00:00 | 福島第一原発

ECRR クリス・バズビー博士来日講演です。Facebookの「福島第一原発を考えます」のグループに投稿され、翻訳家の竹野内真理さんの訳とまとめた内容です。基本認識として、参考になるためまとめてお読み下さい。
(2011年7月22日 竹野内 真理訳・要旨作成 竹野内さんが翻訳した「人間と環境への低レベル放射能の脅威」は低線量被曝のペトカウ効果について必読の文献です。 http://www.akebi.co.jp/)

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私は日本は、特別な使命を背負っていると思う。日本は、広島と長崎で原爆を経験し、多くのヒバクシャが出た。そして今福島原発事故が起き、さらなる核による被害が拡大しようとしている。私には、日本こそが世界を変える力があるのではないかと考えてやまない。私が今日、ここで講演するのもそのような理由からである。

欧州放射線リスク委員会(ECRR) はICRPとは異なる、放射線リスクに対する新たなモデルを構築した。というのも、ICRPのモデルは内部放射線に対する考慮が欠落しているからである。ご存知のように放射線というものは、がん、白血病、先天性異常のように、突然変異を引き起こすものである。

そしてこの放射線というものは、吸収線量(ラド、グレイ)という、エネルギーの単位で表すことができるが、この単位では、放射線の生体内における密度を示すことができない。というのも、体全体に当たる放射線量、つまり平均化した値しか考慮せず、局所的な影響を考慮に入れていないからである。これはあたかも、暖炉の前で暖まることと、その暖炉の中にある炭火を口の中に入れるのとでは、体に対する影響がまったく異なることと同じ原理である。

広島長崎のヒバクシャの線量は、吸収線量だけが考慮された。つまり、核爆発によるたった一回放射されたガンマ線による放射線、すなわち、体全体で平均化されたエネルギー密度のみが考慮されたことになる。

これは、体内被曝の観点からすると、有効な考え方ではない。大事なのはDNAに対してどのような密度で放射線が作用したかという点であり、この密度は体のどの部位に放射性物質が入ったかによっても異なる。ここが一番大事な点だ。平均化してしまっては、生体への真の影響は測れない。

ECRRは、外部被曝のみでなく、内部被爆の影響にも対処するため、独自のモデルを構築した。このモデルは次のサイトにおいて無料で参照することができる。英語http://www.euradcom.org/2011/ecrr2010.pdf 日本語訳http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_dl.htm

モデルを構築するために、我々は実際に放射線に被曝した人々を対象に調査を始めた。ホットパーティクルがどこにあるかという問題だけでなく、ストロンチウムやプルトニウムといった物質は、ひとたびDNAに結合してしまうと、放射能の崩壊途中で多大な影響を生体組織にもたらす。

実は、核による被曝の問題は、欧米でも既に50年代、60年代から、米、ソ、英、仏による核実験により発生していた。

英国には大変優れたガン登録制度がある。しかもウェールズは降雨が多く、そのためより多くのストロンチウム90に被曝することとなった。そして降雨の後、ウェールズにおけるガンの発生率は30%も増加したのである。しかも、この時の線量はわずか、1ミリシーベルトであった。これは環境放射線よりも低い値である。

この実地調査を考慮すると、 ICRPによるモデルは、350倍も過小評価ということになる。

ECRR は2003年に報告書を出した。あくる年の 2004年、スウェーデンのトンデル博士が新たなモデルを発表した。チェルノブイリにより、スウェーデン北部の町で1キロ平方メートルあたりのセシウムのベクレル数が百キロベクレルの場所で、11%のガンの増加があったというのである。

この数値を見ると、ICRPは600倍もの過小評価を行っていたことがわかる。この数値とほぼ同等のものが、前年に出されたECRRの2003年報告によっても言明されていたのである。

欧州では小児白血病も観察されている。そのデータからも、ICRPはリスクを500-2000倍も過小評価しているのがわかる。

内部被曝に関しては、我々は個々の放射線核種に対する「荷重係数」を設けている。(訳者注:ICRPはアルファ線と中性子線では20、ベータ線とガンマ線は1という荷重係数は設けているが、核種ごとには設けていない)ECRRのモデルを適用すると、だいたい正しい答えが導かれるのである。

ICRPとECRRのモデルの主要な違いは、ECRRは体内に入った核種による線量およびDNAに対する線量をずっと高く設定していることである。テクニカルなことに関しては、ECRR報告書のほうを見ていただきたい。

チェルノブイリ事故後の最新の疫学調査のいくつかは、ECRRモデルが正しいことを示している。

しかしICRPの最新のモデルを示した報告書には、チェルノブイリに関しての言及がない。ICRPの報告書には、自らのモデルが間違っていることを示すことは何も書かれていない。

Jack Valentin博士はICRPの科学部編集局長(Scientific Secretary)を20年務めた人物である。私は博士に博士が辞職した直後の2009年4月に会った。この会見は、ビデオテープに記録され、以下のサイトで閲覧できる。 http://vimeo.com/15398081

博士はICRPモデルを原発事故に使用することはもはやできないと告白した。理由は、内部被曝による被曝は900倍も過小評価されている可能性があるためと語った。博士はまた、体制側にある放射線防護機関は、チェルノブイリのリスクモデルを見ていおらず、誤った評価をしていると言明している。

ここで考えて欲しい。ICRPモデルが間違っているという証拠は多数存在する。ICRPモデルが間違っていることは、理論的にも疫学的にも示すことができる。

そして、今やICRPの元科学部編集局長自身が、間違っていることを認めているのである。

しかし、日本政府はICRPモデルを使用していればよいと思っている。

ECRRの特徴は、ロシアの科学者を含む、高い地位にある各国の科学者の皆さんが参加していることである。彼らはすでに数百もの科学論文を発表している。日本からは沢田昭二先生がおられる。

こちらのグラフは、核実験により世界中に降ったストロンチウム90とガンの相関図である。ストロンチウム90の蓄積線量は2mSVであったことをかんがみると、ICRPのガン発生モデルは350倍過小評価であったことがわかる。

こちらのグラフは、チェルノブイリ事故のとき母親の胎内にいたスコットランドとウェールズの乳児(0-1歳)における小児ガンの発生数である。通常は3から6であるのに、チェルノブイリのあった年だけは14に突然増加している。ちなみにこの時の線量は0.8mSVであった。このデータでもICRPモデルが400倍過小評価していることがわかるのである。

ECRRではアイルランド政府に委託されて研究を行っている。というのも英国の再処理工場からのプルトニウム、ストロンチウム、セシウムなどの放射性放出物のため、アイルランド海は世界一放射能に汚染された海だからだ。この地図にある赤丸はガンの発生を示す。汚染のある海底汚泥のある場所の近くでより多くのガンが発生しているのがわかる。汚染のある海岸から1km圏内で、ガンの発生が急速に高まったのである。

英国の東海岸の原発のある海岸近くでも、ガンの高い発生率が見受けられている。

また、核実験が英国とウェールズにおける乳児死亡率を増加させたという研究は、British Medical Journal誌にも発表された。(訳注:R.K.Whyteによる研究で50-80年の間に32万人もの乳児の過剰死亡があったという。-『人間と環境への低レベル放射能の脅威』から引用)

ECRRは世界中のデータを集めて、リスク係数をはじき出しているが、特にチェルノブイリの後、多くの研究を行った。チェルノブイリからは事故後北東の風が吹いたため、バルト海は50000Bq/m2という、非常に高濃度に汚染された。

ただし、旧ソ連では多くの隠蔽があった。

しかしスウェーデンやフィンランドでのデータは正確であったので、我々は内部被曝の研究を行うことができたのだ。

先ほどのトンデル博士はスウェーデン北東部の小さな町で、1988-2004年におけるセシウム137とガン発生率との相関関係の研究をし、ICRPが600倍もの過小評価をしていたことを見出していたのである。

そしてこれはECRR2003年報告で予測されていたことであった。我々は自分たちの研究に確証を得たのである。

ちなみにその後トンデル博士は、ヨーロッパ中の放射線防護リスク当局に非難され、上司からは解雇されてしまった。そしてスウェーデンでは、保健当局の医学局に、元ICRP議長のLars-Erik Holmが就任してしまった。

しかし覚えていて欲しい。ICRPによる500から1000倍もの過小評価が 既に見出されているのである。

さて、福島の話をしよう。

政府が単に毎時何ミリシーベルトという外部放射線だけを測定し、それを健康へのリスク評価としているのは危険なことである。

私は長年、放射能測定にカーフィルターを使用している。車は人と同じく、空気を取り入れる。我々は人の肺を開いて除くことはできないが、車ならできる。

福島から100kmの地点で測定したところ、0.1 マイクロSv /毎時だった。ガイガーカウンターだけであればこの値は安全な値だ。しかし我々は、ガンマ線に何が含まれているかを測定する巣ペクト路メーターを持っていて、セシウム134と137のピークを見ることができた。また、この車の走行距離から、空気中のベクレル数は2700ミリBq/m3(立方メートル)であることがわかった。世界中の核実験でピークの値は 1963年に観測された、2.5 ミリBq/m3であったから、この値は1000倍も高いことになる。

先ほど言ったことを思い出して欲しい。60年代、ウェールズでは 30%ものガンの死亡率が増加したのである。

東京圏、千葉におけるセシウム137の値は、核実験のピークのときよりも300倍高い値であった。

注目すべきは、放射線の濃厚な地域は、点在しており、原発からの距離に依拠しない点である。これはまったく同じことがチェルノブイリでも起こっている。

我々は機器を使用し、以下の核種を見出している。

セシウム134,137, ヨウ素131,ラジウム226, カリウム40、ロディウム102、銀110、テルル129、ニオビウム95、鉛210と214、トリウム234、ビスマス214、ウラン235

アルファ線の飛跡を示す特殊なプラスチック材も使用された。飛距離は0.8mmでそれぞれが 500mSvに相当する。プラスチックの部分によっては、たくさんの秘跡がみられる場所もある。カリフォルニアにある大学で、同じようなものをチェルノブイリの後に見出している。

もしも上記のものが外部被曝であったら、毎時たったの0.2マイクログレイ である。

人の呼吸量は一日当たり、24立方メートルである。

ICRPによる線量でさえ、セシウムのみで 0.3-0.5mSV に達する。大気中にはプルトニウムもストロンチウムもあったので、これらをすべて足すと20-30 mSVに達する。

我々はECRRのモデルを福島に置き換えてみた。立方メートルあたりのセシウムの濃度と11% 1立方キロメートル当たり100キロベクレルで11%のガンの増加というトンデル博士の数値を主に考慮した。

すると、結果は以下のようになった。

ICRP によれば、今後50年間で100km圏内で2838人のガンの過剰発生がある。

トンデル博士は100km圏内で10年以内に 10万3329人のガンの発生となる

ECRR では、100km圏内で50年で19万1936人のガンの発生となる。

ガンだけでなく、風邪やインフルエンザ、発疹、下痢や9倍に増えた先天性異常が核実験場で働いていた兵士に見られている。(2007年)

人々は毎時1マイクロシーベルトの場所から避難しなければならない。

水や食料は他の地域から購入するべきである。

この地域にとどまっている人々には、財政的な補償がなされねばならない。

最も重要なのは、今後訪れるであろう裁判の時のために、第三者機関により、サンプルを収集するべきである。 サンプルがあれば、政府や核産業を告訴することができる。 福島から400km圏内を20km毎にサンプル収集する必要がある。それも2週間ごとに、フィルターを通してウラン、プルトニウム、セシウム、ストロンチウムなどを見るべきだ。

同時に福島からの放出物を抑えねばならない。

事故を過小評価する科学者なども告訴すべきである。

政府は当てにならないので、自分の身は自分で守らねばならない。

科学というものは真実のためのものであり、核産業のためにお金をもうけるためのものではない。市民こそが自らの手に科学を取り戻し、身の安全を確保すべきである。

このことを言うために私は来日したのである。

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